航海訓練所は、平成16年10月に生じた海王丸海難事故を契機として、「安全推進室」を設置しました。また、ISMコード(International Safety Management Code:国際安全管理規則)に基づくSMS(Safety Management System:安全管理システム)を構築し、平成18年9月「適合認定書」を、平成19年3月「船舶安全管理認定書」を任意取得しました。以来、練習船隊・陸上組織が一丸となって、船舶の安全運航及び環境保全に努めています。

平成23年度における主な活動を以下に紹介します。

安全推進会議
    <練習帆船のマスト作業>

◎安全推進会議

本会議では、練習船の運航及び航海訓練に係る安全性の向上を目的に、陸上・海上の実務者が集まって、真摯な話し合いを行っています。平成23年度においては、この1年間に発生した不具合事例のうち特にヒューマンエラーに基づく不具合事例を題材に、如何にして事故の発生を防止するかというテーマで活溌な意見交換を行いました。

リスクアセスメント講習会
       <安全推進会議>

◎安全教育資料

ツールボックスミーティング、作業打合せにおける安全教育、新採用職員/新乗船者向けの初期導入教育及び実習生に対する安全教育等に活用するため、表現がシンプルで理解しやすく、いろんな現場で活用できるカード形式の「安全教育資料」を作成しました。今後も、発生した重大な事例や、頻発している事例を順次加えて内容を充実してまいります。

民間船社との意見交換
  <安全教育資料「頭上注意」写真>

◎安全環境保護基準

各練習船においては、ヒヤリハットなどが発生するたびに対策を行い、独自に安全対策を進めていましたが、今後、より一層の安全意識の向上及び共有化を図るとともに、設備面からの安全対策の充実を目的として、各船共通の安全対策「安全・環境保護基準」を作成し試行を開始いたしました。平成24年度からの本格運用を目指します。

民間船社との意見交換
   <スナップバックゾーン表示>

◎緊急事態への対応

23年度は、大地震・大津波への緊急対応能力の向上を目的として、SMS緊急対応手順書に基づく緊急対応合同訓練を本所及び国内航行中、停泊中の各練習船を対象に実施しました。練習船の行動海域で津波・大津波警報が発令された場合の事例研究を行い、大地震・大津波等大規模災害時の緊急連絡体制確立の検討を行いました。

民間船社との意見交換
      <宮古港の銀河丸>

◎民間船社との安全運航に係わる協定に基づく活動

平成20年4月から商船三井フェリー(株)と安全に関する協定を締結し、当所職員が管理船舶に乗船して点検やアドバイスを行うとともに、外部組織の安全に関する取組みを練習船に導入しています。23年度は、大洗~苫小牧航路のフェリーに当所教官3名が乗船し、活動の成果は、早速「安全・環境保護基準」に反映いたしました。

民間船社との意見交換
    <さんふらわあ さっぽろ>

◎より確かな安全運航・環境保全を目指して

SMS内部監査計画に従って、練習船及び陸上担当部門の内部監査を実施するとともに、意見交換を行いました。それらの結果と外部機関による指摘事項からシステムの維持・改善を行い、実習生が安心して実習できるよう、一層の船舶の安全管理と環境保護の徹底に努めてまいります。
民間船社との意見交換
    <実習初期の体操指導>

安全推進室     平成24年4月1日